MENU

ミシンなしでOK!手縫いの基本と、畳縁で作るおしゃれ小物

「手縫い」って、なんだか懐かしい響きですよね。子どもの頃、お裁縫セットを開き、針と糸で一生懸命縫い物した記憶がある方もいるでしょう。最近はミシンをお持ちでない方や、ミシンでは難しい素材を手縫いで楽しむ方が増えています。この記事では、手縫いの基本、必要な道具、そして畳縁を縫う際のポイントまで、詳しくご紹介します。さあ、あなたも手縫いの世界へ足を踏み入れてみませんか?

手縫いの基本をマスター!必要な道具と縫い方

手縫いは、特別な設備がなくても、自分の手と少しの道具があれば始められる、奥深いハンドメイドの世界への入り口です。手縫いをこれから始めたい方のために、このセクションでは、まず揃えたい基本的な道具とその選び方、そして「運針(なみ縫い)」と「返し縫い」という二つの重要な縫い方を解説します。この基礎をマスターすれば、簡単な小物作りから本格的な作品作りまで、手縫いの楽しさがぐっと広がります。

手縫いに必要な道具

手縫いを始めるにあたり、高価なミシンや専門的な設備は一切不要です。最低限、以下の道具を揃えればすぐにでも始められます。それぞれの道具について、選び方のポイントも合わせてご紹介します。

  • 針: 手縫い針には様々な種類がありますが、初心者はまず「普通地用」のものを数本用意するのがおすすめです。細すぎず、太すぎない、一般的な長さのものを選ぶと、布通りが良く、糸も通しやすいでしょう。パックになっているアソートタイプなら、色々な太さや長さを試せて便利です。

  • 糸: 糸は、縫う布の色や素材に合わせて選びますが、まずは汎用性の高い「木綿糸」や「ポリエステル糸」の黒、白、茶色などのベーシックカラーを用意しましょう。糸巻き(ボビン)や糸玉の形で売られています。最初は少量から試すのが良いでしょう。

  • はさみ: 布を切るための「裁ちばさみ」と、糸を切るための「糸切りはさみ」があると便利です。裁ちばさみは、布専用にすると切れ味が長持ちします。糸切りはさみは、小回りが利き、細かい作業に適しています。どちらも切れ味の良いものを選ぶと、作業効率が格段に上がります。

  • メジャー(巻き尺): 布の長さを測ったり、作品のサイズを確認したりするために必要です。柔軟性のある素材で、目盛りがはっきりしているものが使いやすいでしょう。

  • チャコペン(またはチャコペーパーとローリングペン): 布に印をつけたいときに使います。消せるタイプ(水で消える、熱で消える、自然に消えるなど)があるので、用途に合わせて選びましょう。チャコペーパーとローリングペンは、型紙を布に写す際に便利です。

  • その他: まち針(布を仮止めする)、指貫(指にはめて針を押す)、アイロン(縫い目を落ち着かせる)なども、あると作業がよりスムーズになります。最初は最低限の道具から揃え、必要に応じて買い足していくのがおすすめです。

基本の縫い方:運針、返し縫い

手縫いの基本となる「運針(なみ縫い)」と「返し縫い」は、この二つをマスターすれば、簡単な補修から小物作りまで幅広く対応できます。それぞれの縫い方の手順を、順を追って分かりやすく解説します。

運針(なみ縫い) 運針は、最も基本的で簡単な縫い方です。布を直線に並ぶように縫い進めます。

  1. 糸の準備: 糸を適量(指先から肘くらいまでが目安)切り、片方の端に玉結びを作ります。

  2. 針を通す: 玉結びが布の裏側に来るように、布の端から針を刺し、表に出します。

  3. 縫い進める: 針を布の表から裏へ、一定間隔で進めます。次に裏から表へ、同じ間隔で進めます。この繰り返しで、表裏に一定の間隔の「並み縫い」ができます。

  4. 玉止め: 縫い終わりは、最後の玉結びを布の裏側でしっかりと作ります。 運針は、仮止めや、あまり丈夫さを必要としない部分に使われることが多い縫い方です。

返し縫い 返し縫いは、運針よりも丈夫で、ミシン縫いに近い仕上がりになる縫い方です。

  1. 糸の準備: 運針と同様に、糸を適量切り、玉結びを作ります。

  2. 最初の運針: 布の裏側から表へ針を刺し、最初の運針を1〜2針分進めます。

  3. 針を戻す: 次に、表側に出た針を、一つ前の縫い目の始め(玉結び側)に戻して、裏側へ刺します。

  4. 裏側で進める: 裏側に出た針を、さらに一つ前の縫い目の終わり(表側へ出た場所)まで進め、そこから表側へ刺します。

  5. 繰り返す: 「表側で一つ戻って裏へ刺し、裏側で一つ進んで表へ刺す」動作を繰り返します。これにより、縫い目が重なり合い、丈夫な返し縫いになります。

  6. 玉止め: 縫い終わりは、運針と同様に玉止めをします。 返し縫いは、ほつれやすい部分や、強度が必要な部分の縫製に使われます。動画などで実際の針の動きを確認すると、より理解が深まるでしょう。

手縫いのメリット

手縫いは、手軽さ、場所を取らない利便性、生地への優しさ、そして独特の風合いが魅力です。

  • 手軽さ: 針と糸さえあれば、特別な準備なしにいつでもどこでも始められます。思い立った時にすぐに取り掛かれるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

  • 場所を取らない: 小さな道具で済むため、作業スペースが限られている方でも安心です。リビングの片隅や、移動中の車内など、場所を選ばずに楽しめます。

  • 素材への優しさ: 針にかかる圧力を細かく調整できるため、シルクやレースのようなデリケートな生地、特殊な素材も、生地を傷めたり伸ばしたりせず、丁寧に扱えます。

  • 独特の風合い: 機械的な均一さとは異なり、人の手によって生まれる温かみや、わずかな不均一さが、作品に独特の表情と味わいを与えます。この「手仕事感」こそが、手縫いの最大の魅力の一つです。

  • 集中できる時間: 一針一針に意識を集中させる作業は、日常の喧騒から離れて心を落ち着かせる効果があります。没頭することで、穏やかな時間を過ごし、趣味として心を癒すことも可能です。

手縫いのデメリット

手縫いのデメリットにも目を向けることで、手縫いの特性をより深く理解し、自分に合った楽しみ方を見つけることができます。

手縫いの最も顕著なデメリットは、ミシンに比べて完成までに時間がかかる点です。一針ずつ丁寧に縫い進めるため、特に長い直線縫いや複雑な部分の縫製では、相応の時間と根気が必要となります。また、熟練度によっては、縫い目が均一にならなかったり、糸調子が安定しにくかったりする場合があります。さらに、厚手の生地や重ね縫いをする際には、ある程度の力が必要で、指に負担がかかる場合があることも考慮しておきましょう。これらの点を理解した上で、手縫いならではの楽しみ方を見つけていくことが重要です。

畳縁を手縫いする際のポイント

「畳縁(たたみべり)」は適度な厚みとハリがありますが、意外と力もいらず縫いやすい素材です。ここでは、手縫いで作品を作る際に、普通の布とは異なる畳縁ならではの注意点を解説します。

基本の縫い方(畳縁版):運針、返し縫い

運針(なみ縫い) 運針

  1. 糸の準備: 糸を適量(指先から肘くらいまでが目安)切り、両方の意図を束ねて端に玉結びを作ります。(2本どり)畳縁は布より厚みがあるため、しっかりと縫い合わせるためにも2本どりがおすすめです。※ギャザーを寄せる時なども2本どりの方が糸が切れたりしにくくなります。

    ―――――――縫い方は通常の布と同じ―――――――

  2. 針を通す: 玉結びが布の裏側に来るように、布の端から針を刺し、表に出します。

  3. 縫い進める: 針を布の表から裏へ、一定間隔で進めます。次に裏から表へ、同じ間隔で進めます。これを繰り返すことで、布の表裏で一定の間隔の「並み縫い」になります。

玉止め: 縫い終わりは、最後の玉結びを布の裏側でしっかりと作ります。 運針は、仮止めや、あまり丈夫さを必要としない部分に使われることが多い縫い方です。

 

返し縫い

1.糸の準備: 運針と同様に、糸を適量切り、2本どりで玉結びを作ります。

―――――――縫い方は通常の布と同じ―――――――

2.最初の運針: 布の裏側から表へ針を刺し、最初の運針を1〜2針分進めます。

3.針を戻す: 次に、表側に出た針を、一つ前の縫い目の始め(玉結び側)に戻して、裏側へ刺します。

4.裏側で進める: 裏側に出た針を、さらに一つ前の縫い目の終わり(表側へ出た場所)まで進め、そこから表側へ刺します。

5.繰り返す: この「表側で一つ戻って裏へ刺し、裏側で一つ進んで表へ刺す」動作を繰り返すことで、縫い目が重なり合い、丈夫な返し縫いになります。

6.玉止め: 縫い終わりは、運針と同様に玉止めをします。 返し縫いは、ほつれやすい部分や、強度が必要な部分の縫製に使われます。動画などで実際の針の動きを確認すると、より理解が深まるでしょう。

基本的に縫い方は布の場合と同じですが、最初の玉結びの段階で工夫することで途中で糸が切れたり、しっかりと畳縁同士を縫うことができます。

また、手縫いで作品を作る際はポリエステルを多く含む畳縁はやわらかく、手縫いにも扱いやすいのでおすすめです。

畳縁を使った手縫い作品例

畳縁は、その特性を活かして様々な手縫い小物に生まれ変わります。ここでは、初心者の方やお子様でも簡単に始めることができるティッシュケースの作り方を、ご紹介!基本の情報を参考に、あなただけのオリジナル作品作りに挑戦してみてください。

畳縁で作るポケットティッシュケースの作り方レシピ

手縫いに関するQ&A

手縫いをしていると、様々な疑問や小さなトラブルに直面することがありますよね。例えば、「糸が絡まってしまう」というお悩み。糸の絡まりは、糸を短めに使う、糸端を揃える、時々糸を休ませるなどで改善されます。「縫い目が開いてしまう」場合、糸の引き加減が緩すぎる、生地に対して糸が細すぎる、針の太さが合っていないなどの可能性があります。均一な力で糸を引き、生地の風合いに合った糸と針を選ぶことが大切です。特に、伸びやすい生地を縫う際は、無理に引っ張らず、生地を優しく支えながら、細かな運針で丁寧に縫い進めるのがコツです。針と糸の相性も重要です。太い糸には太めの針穴、繊細な生地には細い針を選ぶなど、素材に合わせた組み合わせが、仕上がりの美しさを格段に向上させます。これらのちょっとした工夫で、手縫いはもっとスムーズに、そして楽しくなるはずです。

ぜひ手縫いの世界を楽しんでみてください!

関連商品